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■105 道端に犬 2005/02/10

 仕事帰りに思い立って、レンタルビデオのお店に寄ろうと歩いていた。別に大した目的があったわけでもないのだが、なんとなく久々に聞きたい歌があったのでCDでも借りようかなと思ったのだ。
 その店が近づくにつれ、何か聞きなれない音が聞こえてきた。よくよく見ると店の前に犬が一匹括りつけられていて、そいつが鳴いているのだった。鳴く、といっても「わんわん」だとか「がるるる」とかそういったのではなく、「くぅーんくぅーん」といかにも寂しげに鳴いているのだった。

 私は店に入る前に、その犬の頭をなでたりして少し相手してやった。なかなか嬉しそうな顔をする。やっぱり寂しいのだろうな。
 そう思いながらも程なく店の中へ。CDなどを物色するもいまいち借りようと思うほどではなく手ぶらで店の外に出た。

 するとその犬は近所のおばさんとおねーさんに囲まれていた。行儀よく座りながら、周りに人がいることで嬉しそうにしていたのだった。


 誰でもいいから人が傍に居てくれればいいんだろうか。

 私もわりと寂しがり屋なので、誰かが傍に居てくれればなぁと思う事はある。けど本当にそれは誰でもいいんだろうか。

 あの犬はきっと違うだろう。私やおばちゃんや、おねーさんがいてくれることはそりゃ誰も居ないよりは嬉しい事だろうけども、やっぱりご主人様には敵わないと思う。ご主人様が来た時のあの犬はどれほど喜ぶんだろうな。きっとちぎれんばかりに尻尾を振って喜ぶんだろう。

 私にそれほどの人はいるんだろうか。そういう人と巡り会って、他の人と居る以上の喜びを得られる日が来るんだろうか。一人寂しく家路を急ぎながらそんなどうにもないことを考えていた。やはり寒い日は心も寂しくなるものかねぇ。やれやれ。



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