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■042 一千年代最後の小さな幸せ 2000/01/10

 エントロピーは増大する。それも恐ろしいほどのスピードで。掃除したてのきれいな部屋も数日経てばそこにあるのは「整然」ではなく「雑然」である。いわんや1ヶ月近く掃除していない男子大学生の下宿など。
 自慢じゃないが私はここ数週間布団の上でまっすぐ寝た記憶がない。そんなスペースがないのだ。一時など部屋に2人と入れない状況であった。己ですらも足の踏み場を探さねばならない。本当に自慢じゃないな。

 そんな私のアパートに友人が3人泊まりに来るという。2日ほど泊まるので寝るスペースを用意しろとのこと。
 ・・・こまった。今現在どうあがいてもここで4人が寝ることなど不可能だ。インポッシブルだ。できるわけがない。自分1人ですらまともに寝れないというのに。
 とはいえ曲がりなりにもまっとうなアパート。決して間借りではない。6畳の部屋と3畳ほどの台所をあわせれば4人寝るスペースくらい何とかなるであろう。とりあえずまずは台所の新聞を括って捨てることにしよう。
 新聞、である。あの毎朝配られてくる紙の束である。その時間まで起きていると虚しさを誘うという読売新聞・朝刊である。うざったいほどの勧誘に負けてしかたなくと契約してしまったあの痛恨の過ちのなれの果てである。それが溜まりに溜まっているのだ。その数ざっと1年3ヶ月分。はっきりいって半端じゃないほどの量だ。私も相当の不精者だとは常々思ってはいたがまさかこれほどとは。




 12月のある月曜日。
 その日、私はサークルの集まりで夜中の2時過ぎに帰宅した。すると外には山積みの雑誌・新聞類。いかん、今日が、正確には明朝が新聞の回収日だったのか。今日出せねば今月中に出すことはできない。ということは今からこの新聞を括り出さねばならないのか。

 とりあえず新聞を括るための紐を探す。しばらくするとビニール紐を発見。さほど長くはないようだがまあとりあえず括り始めることにしよう。

 20分経過。4束括ったところで紐が尽きる。しかたがないのでコンビニに赴く。いやぁ、世の中便利になったなぁ。こんな時間でも物が買えるなんて。40メートルのビニール紐と空腹を満たすための食料を購入し帰宅。とりあえず食料を摂取する。食料摂取の開始とともにパソコンが音を奏でる。摂取が終わった私は何故かそのままゲームをはじめてしまう。

 いかん、くだらないことをしてるうちに4時になったではないか。これは本腰を入れて括るとしよう。休憩終了。

 そしてそれから2時間が経過。何と空が白みだした。括り出した新聞の束は20を超え、購入したはずの40メートルの紐はすでに使いきる寸前であった。さすが侮りがたし、1年3ヶ月分の新聞。伊達にあれほどのスペースを消費していたのではなかったようだ。

 そんな新聞の間からいつのまにか埋もれていたドライヤーが発見された。上にあった新聞どものおかげかホコリも乗っておらず、動作も良好。まさに新品同様であった。

 いやぁ、快適だなぁ。ドライヤーって。



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