自転車創業さんのゲームLOST COLORSはANOSという独特のシステムを持ったビジュアルノベルゲームです。
 「あの、素晴らしい  をもう一度」でタイトルとシステムに惹かれ、「空の浮動産」で世界観とイラストに惹かれ。この時点でANOSというシステムにどっぷりつかりこんでしまったのです。
 「LOST COLORS」リリースを知ったときも、ゲームが面白いのは間違いないのだからと思い込んで何も迷うことなく購入に向かいました。

 ゲームのあらすじなんかはこの際ばばーんと端折っちゃうとして(笑)、早速感想です。





 まず、今作における(システム面の)ANOSは基本的に前作「空の浮動産」のANOSと変わりないものです。が、今作にはANOSというシステム以上に前作と異なる点があります。それが時間。そう、LOST COLORSは時間を気にしながらやらなくてはならないゲームなのです。これに気付くまで随分とかかりました。そこにいる人に気付けなかったり、ボタンを押しても開かなかったりとそりゃあもうどーしたものかと思い悩みました。

 主人公レアルに関しては、オープニングでのレアルの見せ方が多少違和感を覚えるような気もします。ここで明らかに殺し方を楽しんでいる姿が描写されていますが、ゲームが進めば「必要な事態以外では殺さない」という方針を持っているように見受けられるのです。
 レアルの最期の選択は、「殺そうとするのなら殺されても文句はない」という彼の考え方を貫いたとも言えるのではないでしょうか。あのシーンは胸の中にジーンと残るものがありますよねぇ。この辺の感じは「あのすば」に近いものかもしれません。

 スフライトは・・・まあああいうキャラですね(笑)。気が弱くてコンプレックスを抱いている。
 欲を言えば薬を服用していないときのスフライトをもう少し見てみたかったかもしれません。

 で・・・きましたよ。ある意味アイドル、ミドリ・サラシナさんです。ぶっちゃけこういうキャラは大好きです(笑)
 コンプレックスを乗り切った力強さと笑顔で権謀を企むしたたかさ、おまけに理不尽なまでの歌とくればこのキャラに敵う者ナシというところでしょう。思わずミドリの歌全集を作ってしまったくらいです(笑)

 最後にもうひとつ。ラストに「隠れ家に向かわずに独りでハーフトの村に行く」という選択肢もあると嬉しかったかなぁと思います。誰にも見守られないところで独りで殺されてしまうという選択は、レアルには考えうる選択肢なんじゃないかなぁと感じたのです。

 ともかく自転車創業さまには素晴らしいゲームをリリースしていただいたことに深く感謝したいと思います。そしてまた、こんなにも悩ませてくれつつ虜にして離さない素晴らしいゲームをリリースしていただける日を楽しみにしています。

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